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これは偶然なのだが、村田と俺は同じ高校を受験して、合格した。


そして一一一



ッ!!僕たち、同じクラスだよ!!」

興奮しながらそう報告にきた村田。
ちなみに俺はと言うと、己のクラスを知る為に群がっている人の中に入るのは嫌だから、と
そこから少し離れて待っていたのだ。

「へぇ。すごい偶然。」
そう素っ気なく言ってみたら、案の定突っかかってきた。
「ちょっと何その反応。もうちょっとこう、驚いてから、笑顔で『嬉しいよ』とか言うトコじゃないの?」
「…………嬉しいよ。」
「…君に期待した僕が馬鹿だったよ。」
「そうだな。」
あからさまに溜息をつかれる。

第一、俺そんなキャラじゃないし。


それに、本当は…分かっているんだろう?



俺の、気持ち。




「いやぁ〜でも本当に良かった。と同じクラスで。」

自然と、笑みが零れて。

あぁ、好きなんだなぁ。

って、実感する。

「それはどうも。」
「うん。一緒に高校生活をエンジョイできるね!いいねぇ〜青春。」
「…………。」

時々、理解できない事はあるけれど。

一応、上手くいってます。


初めて、学校が楽しくなりそうだ。









彼はまだ知らない。


規則的に動く歯車が、数回目の移行点に辿り着こうとしていることを。

今の幸せに、終止符が打たれようとしていることを。


丁寧に作り出されたそれはまだ、狂ってはいない。


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