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11.「お、もうへばったか」
63.「勝負しようぜ」
74.「ウザい」
少々大きめのノック音が響いてきた。
朝早い来客を訝しげに思いながらも入室を促す。
「おっじゃましま〜す。」
入ってきたのは現魔王だった。
「なんだ〜もう起きてたのか。フェルナンも早起きなんだね。」
なんだか残念そうなのは気のせいだろう。

「朝っぱらから何の用だ。」
モーニングティータイムを邪魔しに来たんだ、つまらないことならすぐに追い返すからな。
「ランニングしに行かないか?」
…はぁ?
「ほら、フェルナン最近運動してないっぽいからさ。たまには体動かした方が良いって!」
「なんでそんな面倒なことを…」
そんなことの為にここに来たのか?
思わず、溜息が出た。
「そりゃそうかもしれないけど…楽しいよ!」
いや、別に嫌いという訳ではないが。
「遠慮させて貰う。」
そう返すと明らかに落ち込んだ表情をされた。

「じゃあまた明日誘う。」
…引けよ。
「明日も断る。」
「じゃあ明後日!」
「断る。いつになってもやらないからな。」
第一、なんで俺を誘うんだよ。
人なら他にもたくさん居るだろう?
「……じゃあ俺、行って来る。」
あぁ。もう来るな。
魔王がやっと部屋を出ていってくれたので、再びいつもの朝を取り戻そうとカップに口を付けるが、僅かに冷えたそれに思わず顔をしかめてしまった。


「あれ、陛下どうかしたんですか?」
歩いてきた陛下は先程会ったときよりも元気がなかった。
いつもなら楽しそうにランニングに挑んでいるのに。
「陛下って言うな、名付け親〜。俺、振られちゃってさ…」
え?
「すいませんユーリ。でもこんな朝から告白してきたんですか?」
だから先に行って待ってろって?
「…は?いやいやいや、そうじゃなくって!」
赤くなって否定する所が怪しい。なんて。
「一緒にランニングしよ〜って誘ったのに断られちゃったんだよ。」
あぁ、そう言うことですか。
「面倒なんだって。どうしたら来てくれるかな?」
「そうですね…」
ユーリ、もしかしてその相手って…彼ですか?


翌日。同じ時間に、またノック音。
眉間にシワが寄ったのが分かる。
…無視しておこう。
しかし十数秒もすると先程より大きめの音が返ってきた。
無視だ、無視。
その内諦めるだろう。

しかし、甘かった。
1度に2回叩くノックが、だんだん3回、4回、5回…と速度と共に増えていった。
…やかましい。
いや、我慢だ我慢。今諦めたら一巻の終わりだ。

ガチャ

「あれ、起きてんじゃん。ランニング行こうぜ!」
…無礼にも程があるだろう。
「勝手に入るな。出て行け。」
睨み+不機嫌オーラ。
昨日断ったというのに…なんでまた来るんだよ。


またその翌日。
コンコンコン。
………はぁ…。さあどうするかな。
無視したらまた昨日みたいになるだろう。
あの後偶然魔王に会った時にも「行こうぜ!」ってしつこかった。
あれだけ断ったのにまた来るってどういう神経しているんだ。

「………どうぞ。」
言うや否や扉が開いてそいつが入ってきた。
「ランニング行こうぜ!」
なんでそんな笑顔なんだ。
入室を許したから行ってくれるとでも思ったのか?

そんな訳はない。

「ウザい」

お、結構効果的。

それでもめげずに立ち直ったのか、俺の目を見てきた。
残念。

「じゃあ、勝負しようぜ。」

…ちょっと待て。
どこをどうしたらそこに行き着くのか俺に分かるように説明してくれ。

「ランニングで勝負して、フェルナンが勝ったら1つだけ何でも言うこと聞く。
 それを使ってもうランニング誘いに来るなって言えば来ないよ。」

「こ、断ってもまた来るからな!」
ビシッと俺に指を指しながらそうぬかす魔王。

なぁ、脅しか?それ。
微妙に怯えているけど。
結局やるしかないってことじゃないか。

…仕方がない。
「やってやるよ。」
口元には笑みを浮かべながら。
お茶を飲み干し、立ち上がる。

魔王は最初呆けた顔をしていたが、「っしゃ!」とか言って拳を振り上げた。


でも、そう簡単に勝てさせやしないからな。


  ...to be continued...
update : 2007.01.03
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